チロリアンハットのメンテナンス、手入れ方法

公開日： 2015/12/19 : チロリアンハットについて

ベストコンディションで長く使うために

せっかく手に入れたお気に入りのチロリアンハット。
正しく保管、手入れして長くベストコンディションで活用していきたい。

汚れを防ぐ、汗取りテープ

汚れを放置したまま、保管すると虫食いの原因や落とせないシミを作る原因になってしまう。
特に汚れやすいスベリ（防止内側のふち部分）に汗取りテープや布を張り付けておこう。

日常的にブラッシングを

埃を定期的に落とすことは、フェルトの風合いや品質のを保つのに有効だ。特にチロリアンハットはフェルト、ツイードなど素材の性質上埃が付きやすい帽子だ。埃を放置してしまうと、毛足に汚れが絡まってしまい、取れにくくなってしまう。
面倒かもしれないが、ほんの数十秒で終わる簡単な手入れだ。
柔らかい馬毛のブラシなどでけの流れに沿ってブラッシングし、一日の埃をしっかりと取り除こう。

通常、毛は左回り（反時計回り）に流れているので、ブラッシングの際は帽子を上から見て、反時計回りに優しくブラッシングする。あまり強くこすると毛足が死んでしまい、風合いが崩れるから注意。
あくまでも優しく、誇りを払う程度の力でブラッシングを行おう。

粘着テープはNG

簡単に埃が取れて、気持ちいいかもしれながコロコロなどの粘着テープを使って埃、ごみをとるのは御法度だ。せっかくのチロリアンハットの毛足、毛並みの風合いまで取れてしまううえ、粘着素材が防止に移り余計に埃が付きやすく、取れにくい残念な結果になってしまう。

埃以外の汚れが付いた時は

表面についた汚れは、軽い汚れであればブラシでさっと落とすことができる。消しゴムを当てて、撫でるように軽くこするのも有効。
もしそれでも落とせない場合は、汚れが付いた部分のみをピンポイントで、固く絞ったタオルで軽く抑え、叩くようにふき取る。
消して上下左右に擦らず、汚れをタオルに移すようにポンポンと叩くようにタオルを動かそう。

ぬれてしまう範囲を最小限にするために
・固く絞ったタオル
・叩くようにタオルを動かす
この2点に注意。

ぬれたタオルで汚れを落としたあとは、乾いたタオルで水気を吸いとり、風通しの良い場所で形を整えて陰干し、しっかりと乾かす。
※ぬれた状態でまげたりつぶしたりすると、形状がその状態で固定される事態になりかねない。ちゃんと形をととのえ、また洗濯バサミでつるすなどせず、平置きしよう。
タオルをかぶせた大きなざるに、帽子をかぶせるようにすると風通し、型崩れ対策として万全だ。

雨や雪、チロリアンハットを濡らしてしまった時は

水分を含んだ状態が長く続くと、型崩れの原因になってしまう。濡らしてしまった場合は、帰宅後すぐにタオルなどで表面を抑えるようにして水分を吸い取る。擦らずにごく軽くたたくようにタオルに水分を移していこう。
その後、型崩れ防止のためにタオルや紙を詰めて、風通しのいい日陰で陰干しし、しっかりと乾燥させる。

前述のザル＋タオルももちろん有効だ。

※濡れた状態で帽子フックなどにかけると、型崩れの原因に。乾かして平置きを徹底しよう。
※変形、色の変質の原因になるためドライヤーの使用もあまりオススメしない。使うとしても冷風モードで熱を加えすぎないように。

変形してしまったら…

どんなに注意して取り扱っていても型崩れしまうことはままあります。そんなときは、軍手とスチームアイロンを用意。軍手をはめた手を帽子の内側にそえて、帽子から5cmほど話したところからスチームアイロンのスチームを当て、形を徐々に整えていく。

例えば内側に凹んでいるのであれば、軍手をはめた手で内側から外に凹みを押し出すように圧力をかけ、そこにスチームを充てる。熱が冷えていく過程で形が安定していくので、内側から押す力はスチームを離した後、ぬくもりがとれるまでキープしておく。

最後に、風通しのいい場所で日陰干し。しっかりと乾燥させれば終了だ。
（ざる+タオルの方法がおすすめ）

※蒸気を広範囲にあてずに、直したい場所周辺だけにスチームを当てよう。無用な熱・水分を割けるのが成功の秘訣だ。

長期保管の方法

シーズンオフなどで長期間チロリアンハットをかぶらないのであれば、防虫剤、乾燥剤を居れた箱にいれて保管しよう。
これから買うなら、配送時にハットが入っていた箱を取っておけば万全だ。
防虫剤・乾燥剤がハットに直接触れないように紙や薄い布で覆って箱にいれよう。

画像のように、ブリム（つば部分）を上にして、専用の箱に入れて収納すると型崩れせず、つぎのシーズンもベストコンディションで被ることができる。クラウン（頭頂部）を上にして保管すると型崩れの原因になるから注意。

配送時の箱が無い場合、帽子より一回り大きい箱を用意、紙を軽くまるめて緩衝剤にして保管できる。箱周辺部分、四隅など空きスペースに紙を詰め、クラウンがすっぽりハマるような凹みをつくれば型崩れを防ぐことができる。
ビニールは通気性が良くないうえ、保管中にほかの衣類、荷物につぶされてしまう可能性を考えるとおすすめできない。